余力があってもなくても回り道
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今日の釧路 | 6月10日(日) |
日の出 | 3:43 |
記載時間 | 10:50 |
天気 (記載時間) | 晴れ |
朝の気温 (5:00) | 4.4℃ |
朝の気圧 (5:00) | 1015.6hPa |
予 報 | 晴れ時々曇り |
予想最高気温 | 13℃ |
今朝の釧路は晴れたり曇ったりでしたが、9時頃から青空が優勢になってきました。10時の気温は11.4℃です。
赤瀬川原平氏の「老人とカメラ 散歩の愉しみ」は、実業之日本社から1998年(H10) 4月に発行されています。私は、氏(ペンネーム尾辻克彦を含めて)の本(但し、中古カメラに関するもの)は、そこそこ読んでいます。でも、この本が出た当時、私はまだ47歳でしたから、『老人』というタイトルで何となく買いそびれていました。
それから20年経って、私は老人力に満ち溢れれています。なので、「日本の古本屋」から購入しました。帯もついて、新刊案内まで入っている程度がいい古本です。
氏のベストセラーに、その名も「老人力」がありますが、発行されたのは1998年9月です。この「老人とカメラ・・」よりも5ヵ月後です。ですが、既にこの「老人とカメラ・・」のまえがきには、老人力の効用(余計なことは考えない)が書かれています。そこから、「可愛いカメラには旅をさせよ」となって、国内やブータンなどに出かけていきます。
1頁1枚の写真に1頁のコメントがつく形(時々、見開きの写真もあります)で250頁の本ですから、手に取ると一気に読了となります。
なぜ、カメラを手にして散歩すると愉しめるのか?それは、老人力には、無駄な向上心を寄せつけない機能が備わっているからです。
とはいえ、還暦を迎えると誰もが、この境地に至るかというと、そうではないようです。サラリーマンの還暦には退職金がついてきますから、奥さんから「お父さん、永年お疲れさまでした。退職金はお父さんが頑張ったものですから、〇百万円は好きに使ってください」なんて言われて、フルサイズ(撮像素子が35mmフィルム1駒相当)のデジタル一眼レフを買っちゃいます。
遠景の草木だって、ごちゃっとした塊のような写りではなく鮮明に撮れる。花を撮った時には、背景がぼけたいい写真になる。やっぱり、フルサイズは違う!でも、日が経つと・・・重い( 別にフルサイズでなくても一眼レフは重く感じるようになります )、機材でいい写真が撮れるわけないし・・・となって、一眼レフを持ち歩くことが減り、かと言って、普通のコンパクトデジタルカメラでは満足できず、奥さんには内緒で、これまた撮像素子が大きくて、動画も4K撮影可といった高級コンデジを買う。というパターンを経なければならないようです。
私は、デジタル一眼は10年くらい前のペンタックス K-7 と コンデジも同じ頃の リコー CX2 と GX200ですから、フルサイズ機所有のご同輩への嫉みもあって、老人のカメラ散歩にフルサイズ機は不要と説く、田中長徳氏のブログを頷きながら拝読しています。老人力は、座して待つのが正しい迎え方だと思うのですが、余力があると回り道をすることになります。
京都大原の古民家に住む「猫のしっぽ カエルの手」のベニシアさんは、老人力を素直に迎え入れています。先週の放送では、花の名前を思い出せないことが増えたということで、それを記した木のプレートを土に挿していました。聡明な人は、質素な生活を営む中で、自然に老人力を身につけていくという、お手本だと思いました。
私も質素な生活で、老人力はかなりなものなのですけど、どこが違うのか考えたら、老人になるまでの全てが違うのです。余力はなかったけど、回り道だらけでした。いわゆる「わかっちゃいるけどやめられない」てなこと、ずいぶんとありました。
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