村田賢比古(むらた まさひこ)氏の「時差ボケ東京」です。流し撮りとスローシャッターによる作品が並んでいます。止まった主体が静で、流れる背景が動に見えます。でも、止まった主体にスピード感を覚えます。そういう写真が連なります。高速道路が交差する下を自転車に乗った白い上着の女性が走り去る光景。車道脇を走りながら、今、タクシーを追い抜いた(ように見える)スーツ姿の男。大きな交差点で、信号が青に変わったら一斉に動き出すであろう人の群れ。これらの時と間が、画像になるとブレによって表現される。そんな写真集なのかな。そう思いました。